書籍情報
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著者 | ジョシュア・クーパー・ラモ、Joshua Cooper Ramo |
| 価格 | 1890 円 | |
| ISBN | 9784770041210 | |
| 出版社 | 講談社インターナショナル | |
| 出版日 | 2009年12月3日 | |
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カスタマーレビュー (全 5 件 平均評価:
)
・思考モデルの限界 評価:
さまざまな学問分野で作られてきたモデル。
モデルの範囲内でこれまでの時代はある程度予測できたが、既存のモデルでは対応できない事態が起こってきたので、新しいモデルの構築が必要だと主張する。複雑系であったり、非線形であったり。
現実の世界はモデルの範囲では捉えられないということは東洋では普通であるが、西洋では納得のいかないことのようだ。
東洋では古くは易経で、時代や社会の法則について解明してきたスケールの大きい話があるが、西洋でもようやくそのあたりの認識が出来るようになってきたようだ。
かっこいいタイトルがついているが、モデルに反する事実が世の中にはたくさんあるという日本人にとっては当たり前の普通の話。
モデルばかり考えている学者には面白いのかもしれない。
・変化の激しい時代こそ、変化を肯定的にとらえる姿勢を主張し、われわれに希望を与えてくれる。 評価:
ここ最近の世界や日本の出来事には、それまで予想もつかなかったような突然とも思えるように思えることが見られる。
本書で触れられている911テロやリーマンショックによる世界同時不況。ここ最近のわが国では、日本航空の破綻、トヨタの大量リコール問題など。
それらの現象を説明するのに、本書では、パー・バクが提唱した「砂の山」理論を使っている。すなわち「システムの規模がある大きさになると、不安定な臨界状態に達することが多い。そうなるとさまざまな混乱が生じ、砂の山の崩壊のような現象が起きる。」
こういう現象に対処するための新たな思考法として、アインシュタインや、任天堂の宮本氏、グーグルを例に挙げつつ、東アジアのものの見方に注目する。西洋のものの見方は、常に中心をみて考えているが、東アジアでは周辺を観察しつつ変化に対応しているという。
「最良の政策というのは、不断に変わり続ける政策である。」「大事なのは、今そこにあるものがこれからどうなるかわかるような見方をすることだ。」という本書の指摘は鋭い。
その上で、本書の最後に著者は、「人間は、パー・バクの砂の山とは決定的に違う。」「われわれは選択ができる。」そのためには、「未来を確実なものとして捉えるのではなく、不確実なものとしてとらえる。」
というように、本書は変化の激しい時代こそ、変化を肯定的にとらえる姿勢を主張し、われわれに希望を与えてくれる。
・類い稀なる戦略書 評価:
複雑な現実を単純化すればするほど成功した時代から、あたかも感染に対する免疫力のような学習する複雑適応力がなければ必ず敗北する時代へ突入している事をきわめて分かり易く解説している。但し、単純思考に慣らされて来た現代人には抽象的な印象を与えてしまう可能性があることも確か。いずれにしろ、内容は星5つ。ただ残念なのは、邦題「不連続変化の時代」と「解説文」が秀逸な内容を反映していないこと(私見)。解説を立ち読みしてから購入を決定する方は要注意。私自身、邦題と解説には興味を引かなかったが、本文をつんどくして一気に引き込まれ購入した。
・予測できない時代こそ、共感の力が重要 評価:
原題が「THE AGE OF THE UNTHINKABLE」、思いもよらないことが起こる時代、つまり予測可能でないということで、邦題では「不連続変化」と表現しています。
表紙にも砂山がデザインされていますが、物理学者パー・バクが研究した大規模な複雑系の理論―大きくなった砂山にどの一粒が加わると崩壊するかは予測できない―を、政治や金融など社会システムに当てはめて検討しています。
さまざまな失敗例(イラク戦争にも手厳しい批判を下しています)や成功例(インターネットの危機の回避など)を下敷きに、国家や個人がどのような考え方で立ち向かっていくべきか、提言してくれる内容となっています。
人間は砂粒ではなく思考力を持っているので、旧来の考え方にしがみつくお偉方に頼らずに一人一人が彼の提唱する「ディープ・セキュリティ」を実現すれば、対処できるというオプティミズムが根底にあります。(ちょうどクリスマスに本書を読みましたが、ジョン・レノンのクリスマス・ソングの歌詞「War is over, If you want it」を思い起こしました)
当たりもしない「予測」によって世界をますます悪くしている政治や経済のリーダーが、この考え方に"Change"できるか。できれば、20世紀を乗り越えたと言えるのでしょう。
・激動の世界をどう立ち向かうかを示す一冊 評価:
本書前半で紹介される砂の山の力学は様々の分野で引用されており、混沌とする現在の世の中の問題の本質を説明するものとして高く評価されている。本書後半では現代の問題に立ち向かうためにDeep SecurityというSolutionを提案しているが、全体感としてはとらえどころのないものという感があるが、これが不連続変化の時代に対応するSolutionであるがゆえのものなのかもしれない。
展開は、筆者の提言が太字で記され、その裏付けとしての具体例が筆者の豊富な経験と知識をもとに語られるという形式をとる。一般人にとって、筆者のような経験をすることは難しいと思われるが、身近な問題、たとえば日本の直面する問題、ビジネス上の問題、自分の属する組織の問題等々に思いを巡らせながら本書を読むと、新たな視点からの解決の糸口が見いだせてくる。
おぼろげな形で理解をされつつある現代の問題の本質を、的確にとらえ語ってくれる良書である。
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