書籍情報


会社コンプライアンス―内部統制の条件 (講談社現代新書)

会社コンプライアンス―内部統制の条件 (講談社現代新書) image 著者伊藤 真
価格756 円
ISBN9784061498778
出版社講談社
出版日2007年2月16日
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カスタマーレビュー (全 12 件 平均評価:)

視点に共感    評価:
かつて「商業道徳」と呼ばれていたものが今では「コンプライアンス」と呼ばれ、さらにかつてよりも広範で深い意味を持たされている。著者の、「他者への共感」がコンプライアンスを一元的に説明できるという指摘は鋭くまた妥当であると思う。もっと言えば、ごくごく当然のことではあるが一般に認知されていない部分を、やさしく諭すような指摘でもある。したがって本書は啓蒙書でもある。「共感」という視点についてはネル・ノディングスの『ケアリング』を併せて読めば、なお理解が深まると思う。

良くも悪しくも予備校講師による解説書    評価:
著名な司法試験予備校講師によるコンプライアンス論。 新会社法やJSOx(金商法)などでコンプライアンス的発想の潮流が広まりつつありますが、 その大きな流れをどのように考えたらよいかを解説。 憲法の価値観である「個人の尊厳」を中核に据えた考えを展開しています。 ただ、いかんせん予備校講師によるコンプライアンス論なので、 どこかの学者が言ったことやどっかの本に書いてあるそうなことの解説が目立ちますし、 実務的な視点からの記述が手薄ですが、コンプライアンスについての入門書としては非常によくまとまっていると思います。

伊藤真思想の入門 ―憲法的生き方(?)の例証    評価:
長所は、 1.比較的最近の企業不祥事の事例(不二家、日興等)が挙げられていること 2.コラムが充実していること(ファイナンスでの規制緩和、ガバナンスでの規制強化傾向) 3.試験対策講座のように重複を厭わず重要点について説明を加えていること 4.コンプライアンス(法令順守)とコーポレートガバナンス(企業統治)、内部統制、社会的責任の関係が一定の視点から位置づけられていること、など。 特徴は、 1.日本国憲法にリベラル知識人的独自解釈を施し、 2.それを自然法と同視し、 3.それを人生・外交・内政等の全ての社会的場面に適用可能な行動選択の基準とする。 4.法令順守もその一環にすぎない。 という伊藤真の思想体系とその具体的適用方法が明らかになること。 金融商品取引法、会社法などのコンプライアンス関連分野の知識の習得に加えて、タイトル・サブタイトルからは予測不能な伊藤真思想の入門も果たせるという一石二鳥のお得な内容。 強迫神経症的に日本国憲法を万能視し、それを全てに結び付けていく筆致は迫力(脱力)満点です。

内部統制におけるコンプライアンスの意味。    評価:
「コンプライアンスの知識」(日経文庫)がコンプライアンス・プログラムの作り方を説く書であれば、本書は会社法や金融商品取引法にて期待される内部統制やコーポレート・ガバナンスにおけるコンプライアンスの位置づけというものを説いてくれる書である。それに絡めて実際の企業の有名不祥事を平たく紹介してくれている。要はコンプライアンスの必要性や、企業としてどう対処するか、何をせねばならないかを伝えている。どちらかと言うと、「企業コンプライアンス」(文春新書)に近いが、この講談社現代新書はコンプライアンスが求められる前提や精神の説明が主であり、文春新書の方は大きな不祥事の事例が詳細に記され、それから俯瞰した内部統制システム、危機管理、危機対応のあり方の説明が主である。

P111 日本とアメリカの民主主義はここが違う    評価:
そもそもアメリカでは、「民主主義の本質は権力を監視続けること」という教育がおこなわれています。民主主義というのは、国民が自らの代表者を選ぶことではなく、自らの選んだ代表者を監視し続けることこそが、「民主主義の本質である」と言われるのです。 もし、これが真実ならば、日本人はこの真実に目を向ける必要がある。 とかく日本人は、社長になって自分の思うとおりに会社を経営したいという願望が強すぎる。 だから委員会等設置会社は日本の風土になじまない。 しかし、日本の民主主義はあくまでも亜流でしかないのだから この機会に本流の考え方をしっかり認識すべきであろう。

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