書籍情報


内部統制報告バイブル―経営者と実務家のための内部統制ガイダンス

内部統制報告バイブル―経営者と実務家のための内部統制ガイダンス image 著者佐々木 秀次
価格9240 円
ISBN9784478004364
出版社ダイヤモンド社
出版日2008年4月4日
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カスタマーレビュー (全 2 件 平均評価:)

コンサルや監査法人に大金を払う前に読みたい    評価:
本のタイトルにバイブルとあるが、上場企業等で内部統制関連の業務に従事している者であれば傍らに持っておきたい1冊である。 本書の内容は非常に充実している。内部統制概念に関する基本的な枠組みの説明から、IT統制の評価や内部統制監査に至るまでの実務的な内容まで全てが網羅されている。そして、実務で使えるような書式集までが付録のCD−ROMに収録されている。コンサル会社に大金払って手に入れた解説資料やテンプレート集よりもよっぽど充実している。 多くの企業では、既に文書化の作業を終えたか、終盤に差し掛かっているところだろうから、今更これを手に入れても。。ということになるのだが、これから上場を目指しているような会社で内部統制の整備をする必要があるのであれば、コンサル会社や監査法人と契約して大金を払う前に本書を手に入れておくのは、とても合理的な行動だ。 また、本書は単なる無味乾燥なマニュアル集やテンプレート集で終わっていない。第T部の「会計監査の歴史と内部統制報告制度の変遷」の部分は読み物としても優れている。企業会計に係わる仕事をしている立場であれば、自らの業務に係わる歴史、すなわち、会計の起源や会計監査の歴史、内部統制報告制度の変遷などについての記述には、大いに知的好奇心を刺激されるのではないか。 それから、ちょっと歪んだ使い方としては、上場企業の内部統制担当や経理担当者が、コンサルや監査法人のレベルを試すのにも使える。本書から得られる、会計監査の歴史や内部統制概念の変遷など、そういった雑学的知識の話題を、出入りしているコンサルや会計士にぶつけてみるとおもしろいだろう。彼らが、概念及び制度に関してどこまで本質的に理解しているのか、試すことができる。現行の制度が、どのような歴史的経緯の下に成立し導入されているのか、そういう背景知識を持っているのかどうか試すことができるからだ。 というわけで、上場企業あるいは上場準備会社の内部統制担当、経理担当としては傍らに持っていたい一冊だ。

バイブルなんである    評価:
「バイブル」である。 「大げさな」と苦笑する前に手にとってみるべきである。 ただし,読み手を選ぶ本である。 「内部統制報告バイブル」は著者の数十年に及ぶ監査実務経験が醸成したものであるといえる。 そして同時に,現時点における会計監査の歴史に関する最良の書籍であると思われる。 たしかに,値段が高いことはそれとして,苦言を呈すべきいくつかの点もある。 たとえば「ですます」調と「である」調が混在していることだとか,第1部における文章の散漫さだとか。 著者の会計及び会計監査に対する造詣の深いことは,引用の豊富さ・幅広さから伺い知ることができる。ところが皮肉なことにそのことが文章のコラージュ化をもたらしているという気もする。 しかしそれを補って余りある成果がここには結実している。 会計と会計監査に対する知識なくしてこの本を読むのは,難しいのかもしれない。 その意味で,読み手を選ぶ本であるといえる。 ただし,会計と会計監査について知りたいと考え,この本を紐解く読者は,それらに対する深い知識を得ることができるだろう。 とくに第1部については,いささか散漫な文章を再構築することによって,その向こうに展開する,会計と会計監査に対する深い洞察を知ることができる。 まずもって,会計監査・内部統制監査に従事する公認会計士にこそ,この本は読まれなければならない。彼らが引き受けるべき使命と,われわれ(企業情報の利用者)の期待とを正しく認識する必要がある。 「企業情報のサプライチェーンの一員として,今日われわれ監査人に求められていること,そしてわれわれが果たすべき責務として,企業情報が会計基準に準拠して作成されていることをチェックすることだけでは足りません。 (中略) われわれがその責務を果たすためには,決算付近になって当期の状況をレビューし,期末日後に取引記録・財務諸表項目の監査をするという「結果の監査」では,十分に対応することはできません。われわれが意識を変えなければ,企業情報のサプライチェーンは,監査人の部分で寸断されてしまうでしょう。」(109ページ) 著者の真骨頂はこの一節に表現されているといえる。 そして,この文章の意味を理解し得ない公認会計士は,自ら恥じ入るべきである。 こうした意味において,本書は公認会計士にとっての「バイブル」たるべきものなのである。 何も「聖典」という意味で「バイブル」なのではない。 「ある事象に関する重要な情報を含み,折に触れて読み返すべきもの("bible", Oxford Advanced Learner's Dictionary)」 という意味で「バイブル」である。 惜しむらくは出版のタイミング。 あと1年出版が早ければ,内部統制に対する監査法人の無理解に苦しめられている企業のひとびとの,内部統制対応業務における「福音」となったであろう。 しかしこの本は別の効用を持ち合わせていることを最後に書いておきたい。 内部統制監査についての監査法人との協議の場では,この本を傍らに置いておくことをオススメする。 その公認会計士が内部統制をどれほど理解しているか,それを測るモノサシとして使えるからである。 内部統制を理解していない公認会計士は,この本がそこにあるのを見たとたん,企業に対して無理難題を吹っ掛けることを憚るだろう。 その意味においても,この本は「バイブル」なのかもしれない。

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