書籍情報
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著者 | ジェームズ R・チャイルズ |
| 価格 | 2415 円 | |
| ISBN | 9784794215383 | |
| 出版社 | 草思社 | |
| 出版日 | 2006年10月19日 | |
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カスタマーレビュー (全 14 件 平均評価:
)
・世に浜の真砂が尽きるとも… 評価:
世に浜の真砂が尽きるとも…事故がなくなることはないだろう。
しかし事故は防げるものだということも真実だ。多くの事故が同じような類型や過程が繰り返されているからだ。スリーマイル島原発事故のように、昔から繰り返されてきた蒸気ボイラーの圧力弁の固着と熱暴走が引き起こしたものだし、同時に、そのものの事象が目に見えず計器に頼った判断が人間の認知を固定させてしまい他の原因に思い至らないようにしてしまう(「認知をロックし固定する」)現象は、幾多の航空機事故を引き起こしてもいるという。
身のまわりや自分自身の日常の失敗にも通ずることばかりで思わず暗澹としてしまう。世の中では事故というと、自分のことは棚に上げてすぐに犯人さがしをして特異な個人の責任にしてしまうが、事故というのは日常的な人間心理や集団錯誤と隣り合わせなのだ。
豊富な事例と多岐にわたる示唆が面白い。あまりに、各種の事故が登場し、時代を超えた類似例が飛躍し交錯するので、読んでいて多少疲れる。体系的、権威的、追求的でないところが読み物として良い面でもあるが、人間ドラマや真相究明的な「事故もの」を期待する向きにはややわずらわしくもあり物足りなくもある。
・誰がどのように引き起こし、誰がどのように食い止めたのか。 評価:
飛行船墜落や原発事故、毒ガス漏出や原発事故から高層ビル倒壊まで50あまりの事故を子細に紹介、誰がどのように引き起こし、誰がどのように食い止めたか、巨大事故の人的要因とメカニズム、人的・組織的原因に迫る良書。
でも結局、最悪の事故に遭遇したときに一番重要なのは「最後の最後まで諦めないことが大切」って言うのには正直苦笑したけど妙に納得w
・それでも教訓を生かせない私たち 評価:
取り上げられている事故例は本書紹介に詳しいが、
これだけ科学技術が進んだのに、
こんな悲惨な事故が後を絶たない……
ではなくて、科学技術が進んだからこそ、
よりいっそう大きな事故が増えている
と著者は説く。
複雑化したシステムと
巨大化したしたマシンパワーの世界は
著者のいうまさにマシンフロンティアと呼ぶに
ふさわしい場所に違いない。
普段、制御されていると信じ切っているものが
いったん、異常な方向に走り出すと、もう誰に求められないのだ。
どんな事故も、少しのミスから始まっている。
そのミスが想像もできない偶然と重なって大事故になっている。
確率でいえば、どんなに小さくてもそれは起こる。
それは、当たらない宝くじがないのと同じだ。
時間はかかっても、いつかは起こる。
それなのに、過去の教訓を生かせないのが私たちなのだろう。
ここに書かれた教訓の一部でも生かせたら、防げた事故も数多いと思う。
乗客106名が亡くなった尼崎脱線事故もその一つに思う。
非常に学ぶべき点が多い本書だが、
文章だけではわかりにくい点も多く、
読みやすさの点で★3とさせてもらった。
同書を元に、ディスカバリーチャンネルで
シリーズが作られたという。
本書を読む前に、こちらを観た方が理解が早いかもしれない。
・事故事例と防止事例 評価:
多くの事故事例を記録しているので参考になる。
しかし、本当の事故原因や、真因は関係者でないと分からないかもしれない。
経営者と現場の技術者では知っている事も違い、見えるものも違う。
立場によって、真因は一つではなく、さまざまであるかもしれない。
一つのことだけを原因にしてしまうと、その担当だけががんばればよいことになる。
いろいろな仕組みで防止するようにしていれば、それだけの仕組みの関係者が努力する必要がある。
しかし、仕組みが多いと、ここでめこぼししても、あとで検査するからいいと、いろんな人が、事故を防止することができるのに、他人まかせにしていることによって、事故が再発してしまうという視点がどれだけ貫けているかが課題ではないだろうか。
・多くの事例から事故のエッセンスを導き出した書 評価:
現代社会を支える巨大で複雑なシステムは電気的、機械的/作業面での複雑さをはじめ、
化学面(爆発、毒性)での危険性を大なり小なり備えたものが多くあります。
本書では、産業革命後に飛躍的な発達を遂げたこれらのシステムが引き起こした事故を例にとり、
詳細に事故が発生した経緯を追い、科学的に現象を解明することで、なぜ、どのような状況
(天候、時刻、土地、人員、疲労、周囲からの圧力、システムが内包する不良など)で、どのように
システムが制御の範囲を超えて事故が発生ということを、「もし、この段階でこのように
対処していたら…」という可能性も含め、深い考察がされています。
「人間の限界が起こした事故」や「事故の徴候を感じ取る能力」などのテーマに沿って各章には
多数の事故例が並びますが、上記の考察を元にそれぞれに事故を起こさないための教訓を
引き出し、私達の周りにあるシステム(例えば、自宅の乗用車)がいかにして制御不能に陥るか
(または、制御不能と感じるか)、ということを心理面から探ったりする試みもなされています。
特に注意すべきは、システムの複雑さやサイズに関わらず、事故の本質は昔から全く変わって
いるわけではない、ということです。例えば、1900年にケンタッキー州で発生した蒸気
機関車の事故は遅れを取り戻そうとして暴走した事例であり、この事例は数年前に発生した
JR福知山線の事故にも本質的に通じるものがあり、事故の本質を問うならすべての事故は
防ぐことが可能であるともいえるのではないか、ということを本書では述べていると思います。
日常、複雑なシステム無しには生きていけない時代であるからこそ、工業界に関係する人
だけではなく、複雑かつ巨大なシステムと生活を共にする現代を生きる人には一読し、参考に
していただきたい書だと思います。
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